より早くより安くより大量に生産することが、全て利益につながる資本主義経済の利益が出る仕組み、誰もが競うように取り組んだ物づくりに矛盾を感じることが多くなってきた。廃業した豆腐屋の事例ですが、効率を追い求め最新鋭の機械を導入し豆腐を大量に生産すると大量に消費してくれる場所まで運ばなければならない。だから添加物を入れて長持ちをさせる。大量に買ってもらうことで、価格決定権もなくなり、毎年のように値引き出荷を強制させられる。商品1円の値引きを拒否すると廃業してしまうしかなかった。
あのにがりが効いた固めの豆腐が食べられなくなる地域になった。便利さを追求すると返って不便になった広島での実例ですが、資本主義経済の合理性重視の社会では大なり小なりどんな企業でも抱える問題です。
朝日で体温が上がるまでじーっと待つ青ガエル
大量に物を作れば必ず遠くまで運ばなければならなくなります。効率重視すると大型トラックで大量に運びます。必要なのはその一部だとすると分散する度に誰かの手が掛かりそれは経費となり商品に上澄みされていく。ひとつの生産価格が高くても経費の掛からない商品の方が返っていい場合もあるのではないだろうか?
木材流通でいうと山の木の値段よりも製材費用それを乾燥する値段や運送費の方が高くなる。遠くに運べば運ぶだけコストがかかり山へのリターンはなくなる。
それを大量に消費することで補ってきたが、人口が減少するこれからの時代、大量生産の大量消費の過渡期に突入し、これからが本当に大変だと思います。
コスト優先よりも、もっと大事な社会構造に貢献できる企業づくりや、人が人として健やかに暮らせる環境の創造など、無い物ねだりではなく、ある物探しをして、少し不便かも知れないがそれを楽しむ方が豊かな暮らしではないだろうか。
そんな暮らし方を自然の摂理から学び実践すると素晴らしい地域ができると思う。
永本建設株式会社 代表取締役 永本清三