弊社も数件のお宅の再建に向けたご支援をさせていただきながら
現地で建築の本業としての経験値を高めるためにも勉強をさせていただきます。
いつも現場に行って心地いいのは被災されても目を向こうとされている住民の方、それを少しでも支えようとされるボランティアの皆さんのやさしい心に感動します。
何一つ見返りを求めるでもなく、黙々と泥だしをおこない、「少しきれいになったね!」と住民に声掛けをする。それだけでも住民は明日への生きるエネルギーに変わっていく!
そんな3週間を過ごしました。
今朝の中国新聞には被害が大きい八木地区阿武山南は保安林未指定と掲載背れていました。
指定して県が適切な手入れをしていれば被害が軽減された。 ・・・と
確かに山の上から土石流が流れています。
(この写真は可部東ですので保安林指定かよく分かりません)
専門家は事故評価は簡単にできるが、今回の大被害は土木工学だけでなく、森林の管理やそこに住む住民が安全かどうか災害予知を山の持ち主と協議して山整備を怠ったことが一番ではないだろうか?
私が見た被災地は根こそぎ杉の大木が流れ出し家屋を直撃、無残にも崩壊した現場。
この山の管理は山の持ち主がするべきであろうが、
戦後の拡大造林の杉の植林地、ほとんどが補助金で植林をしてそのまま、こんな急傾斜で放置林となっている。
杉の根元には低木樹や地盤を固める下草はない。
木は成長して重心はどんどん高くなり、足元をすくわれたように木は倒れていますそんな被害場所です。
こんな山はどこにでもあります。
流木が押し寄せる現場 一階が流木により大破し隣まで流された2階
そもそも、日本は農耕民族で農地面積は少なく
少しでも日の当たる場所で作物を作っていました。
当然住居は家屋自体が作物の陰にならないように山裾に建ていました。
その当時コンクリート砂防ダムも用水路の整備もなく
地形や過去の災害を教訓に住居場所を選んでいた訳です。
そして大きく違うのは自らが地域の山を整備していたことです。
今回の事故がこの植林地の被害が多いのであれば、森林法の整備も必要でしょう。
地主不在放置林も、有存放置林も災害対策として山に入り切り倒せるようにするなど
当然樹木の権利は放棄してもらう。
危険区域順番に災害に強いと言われている
落葉樹の低木樹に変える作業をしていかないと思います。
住宅の建築許可も同じですが、住宅への安全性は長くなりそうなので次回にしましょう。
いくら頑丈に作っても自然災害には及ばないことはどんな災害をみても明らかです。
ただいまだに避難されている不便な生活をされている方のために少しでも
お力になりたいと現場に通っています。
永本建設株式会社 永本清三