厳島神社の鳥居を作る!
そんな珍しい仕事の依頼が来ました。
本物の鳥居の5分の1ぐらいの大きさになりますが挑戦したいと思います。
コストを考えながらどこまで再現するか?
社寺建築の本を観ながら図面を
書き込んでみましたが、
書けば書くほどにに理解できない点が
出てきます。
宮島の大鳥居はあまりに大きくて
あそこまでの仕事はできないし、
鳥居にはそれぞれ流儀があり
そのバランスが美しいかどうか?
(宮島サービスエリヤの鳥居を参考にさせてもらいました)
特に鳥居の島木や笠木の反り具合や長さなど
各種神社によって違うようだ。
本柱の傾斜も違っていた。
ましてや厳島神社の大鳥居には袖柱や袖貫があることで
海の上に置かれているだけで、大きな波が来ても倒れずに
立っている。
地盤も調査したかどうかはわからないが?
本柱の下には地松の杭を3本打ち込んでいるらしい。
そこで、本柱と袖柱の傾斜の違いが気になって相談するのは、いつも京都の宮大工匠弘堂さん
分からない時の神頼み!そこで以外なことを発見!
物づくり大学で研究している人がいると、
HPで調べてみると出てきました。
それも学生さんの卒論に宮島の大鳥居の
研究論文がありました。
もっと驚いたのは?
その学生さんが我が社の社員さんだったのです。
彼は私が苦しんで図面を書いているのに
教えてもくれない。(すこし残念!)
彼に事細かに訪ねては明治八年の改修工事の図面を見せていただきました。
これで全てが理解できました。
袖貫の角度や間隔 一般の神社の袖貫よりも海の上に立つので高い位置になっていました。
再建当時は木材の調達には苦労しただろうなと思うのです。
現在、宮島では大鳥居の本柱は楠木で、中々あの大きさはありません。次なる立替の為には楠木を島に植えようという運動すら起きています。
島木や笠木は一本物ではなく箱になっていて、中には小石が7トンも入っているそうです。
その重みで鳥居を支えていると、
しかしその箱の施工の方が大変だと思います。柱よりも島木や笠木の方が長く、大きな材料になります。どこかで貼り合わせているのでしょうか?
ともあれ、来週から原寸図の作成が始まります。
木の文化や技術の伝承になればと社員大工さんと取り組んでみます。
完成時にはこの湖に設置します。
基礎工事などは地元の土木屋さんと協力しての工事です。
広島県北のみなさんにはおなじみの公園に浮かぶ鳥居になります。
恥ずかしくない物を作りたい!
永本清三